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2024.07.01
日本酒の原材料である山田錦について考えさせられたことがあります。お米の栽培は春先の苗床つくりから始まります。5月~6月にかけて田植を行います。夏場は暑い中草刈り等をして稲の生長を見守ります。秋になり稲刈り・脱穀を行います[ここまでにかかった費用がお米つくりの原価になります]。10月~11月頃、山田錦は全国の清酒メーカーに送るため酒米問屋に納められます。しかし、不思議なことにこの段階で山田錦の販売価格が決まっていません。通常の商取引で商品の引渡し時に価格が決まっていないことはあり得ません。販売価格が決まるのは、酒米問屋が清酒メーカーに納入後の12月になってからです[ここで初めて山田錦の売上高が確定します]。春先からコストをかけて育ててきても年末にならないと山田錦の粗利がわからない状況です。酒米問屋の下請け企業となっている状況を多くの農業従事者は不思議だと考えていないことです。